~遺言~
相続争いが生じないように意思に沿って手続きいたします。
以下の場合は、遺言の必要が高いといえます。
遺言による遺産処分は、法定相続の定めに優先するため、
信頼できる方に財産を渡すことができます。
①相続人がいない場合
遺言がないと原則国の財産になります。
②お子さんがいない場合
法定相続となると、配偶者が四分の三、故人の
兄弟等が四分の一の割合となります。
兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言を残しておけば、
全財産を配偶者へ残すこともできます。
③内縁の配偶者がいる場合
内縁の配偶者には相続権がありません。
④相続人予定者のうち行方不明者がいる場合
遺言がないと、相続のために、不在者財産管理人を
選任する必要があります。
⑤先妻との間に子供がいて、後妻がいる場合
話し合いが難しくなるおそれがあります
⑥離婚協議中または離婚状態の配偶者がいる場合
話し合いが難しくなるおそれがあります。
⑦会社、農地等事業用資産を所有している場合
事業用資産について、円滑に相続できない
おそれがあります。
⑧家族関係に応じて、柔軟に具体的妥当性のある形で
財産を残したい場合
なお、遺言による遺産処理が優先するといっても、
後述する遺留分に関する規定により、遺留分を侵害する
部分について無効となるおそれがあります。
~成年被後見人による遺言~
成年被後見人であっても要件を満たせば
有効な遺言ができます。
詳しくは、認知症問題・後見等法律相談ページ
をご参照ください。
~死亡危急者遺言~
死亡危急者遺言とは、病気やけがなどで
死亡の危急に迫った人が遺言しようとするとき
認められる遺言方式です。
証人3人以上の人に立ち会ってもらい、
そのうちの一人に遺言の内容を口述し、
その口述をうけた証人がこれを筆記して
遺言者及び他の証人に読み聞かせ、
各証人がその正確なことを承認したうえ、
各証人がこれに署名押印します。
遺言者の署名押印は必要ありません。
遺言をしたときから20日以内に家庭裁判所に
請求してその確認を得る必要があります。
普通方式による遺言をすることができるように
なったら速やかに普通方式による遺言を行います。
~遺言書の開封と検認手続き~
遺言書を発見した場合、
家庭裁判所で開封や検認という手続きを行います。
相続人に遺言書の存在と内容を知らせ、
遺言書に関する事項を明確にするための手続きです。
なお、公正証書遺言の場合は、この手続きは
不要です。
~遺留分~
「父が、すべての財産を姪に譲るという
遺言を残し、亡くなった」
故人が、財産を一部の人に多く譲渡する
という遺言を作っていることがあります
この場合でも、兄弟姉妹以外の相続人には
「遺留分」という、最低限の相続財産の取り分の権利
が認められ、遺留分減殺(侵害)請求をすることで、
侵害された遺留分の返還を受けることができます。
相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があった
ことを知った時から1年で時効消滅となります。
また、相続開始から10年で消滅します。
なお、遺言による遺留分の指定はできません。
相続開始前に遺留分を放棄するには、家庭裁判所
の許可が必要です。遺留分の放棄によっても、
他の遺留分権利者の遺留分は増加しません。
~遺留分と遺産債務~
遺留分算定の基礎財産を確定する際には、
遺産債務を差し引きます。
差引されるべき遺産債務には、税金、罰金等
も含まれます。
なお、保証債務は、主債務者が弁済不能の状態に
あって、保証人がその債務の履行をしなければならず、
かつ、その履行をしても求償を受ける見込みがない
ような事情がない限り、原則として控除の対象と
なりません。
~遺言無効~
また、遺言がある場合、
遺言が本当に有効かも問題になることがあります。
①遺言無能力 例えば亡くなった方が、
認知症の時に作成された場合で遺言能力がない場合
②遺言書の偽造 第三者が遺言を偽造した場合
③遺言書に方式違背がある場合
例えば、日付が「昭和42年7月吉日」
と記載されているにすぎない遺言は無効です。
また、いわゆる花押を書くことは、押印の要件
を満たさないため、別に押印がない場合無効となります。
④公序良俗違反の場合
⑤錯誤無効、詐欺取消しの場合
⑥遺言者が自筆証書である遺言書の文面全体に故意に斜線を
引く行為は、遺言の撤回とみなされます。
まれに公正証書遺言でも無効となる場合があります。
交渉・遺言無効確認訴訟等で解決していきます。
なお、生存中に遺言無効確認訴訟はできません。
☆~明確な料金~
※費用の詳細は弁護士費用ページをご参照ください。